母子哀唄/アラガイs
 

童歌は遠く
匕枯れた母親に灯る
アカイ放射線の染み
緩い地盤の亀裂は埋まらず
極北から吹く風に骨も耐えきれず
見守るのは行き場のない木馬
土壁がぬくもりを吐き出せば
季節を待てない塵が畳に積もるだけ
唄は籠り
街は消えた
何も残せなかった母親と
残そうとはしなかった子が眠る傍らに








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