ディドのはなし/フユナ
 
うことだけ。
ステンドグラスはしょうがないので、僕が磨く。
ディドの歌はたぶんずうっと昔のものだ。
ドがドでなかったくらい。

僕は生まれ変わったらディドになりたいな、と言うと
ディドはぴくりともしないで困って笑って
気が向くと、歌をうたってくれる
ぴくりともしないで。


それでなんとなく、
僕はディドにはなれないんだと思う。
絶対に。完璧に。
ディドはディド
ディドでしかないんだ、と
ディドは最初に僕に自己紹介した。でもそこじゃないんだって、ディドは言う。ぴくりともしないで。

でもそこじゃないんだ。






これが、僕のうちにいるディドのはなし。










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