Fly Me To The Moon/大覚アキラ
く
なんて言いながら
アンタはきっと
まんざらでもない様子でやってくるの
真夜中の中央大通を
空気の抜けかけた自転車で
全速力で息切らしながら
きっと
アンタはやってくるの
いつの頃からか
大人たちの時間であるはずの真夜中は
得体の知れないルールで縛られるようになり
煙草一つ自動販売機で買えない世の中になって
おかげであたしたちは
蛾のように
亡者のように
深夜のコンビニの灯りを目指して
フラフラと歩かなくてはならなくなりました
きっと
アンタは自動販売機に
さっきまでテレビで観てた
K−1選手のマネして
重いミドルキックの一撃を食らわすの
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