夏の終わり/
なるせ
ありもしない永遠を世界は紡ぎ、夢を見せるのだろう。わたしたちに。
夏の風は優しい。優しくて残酷で、ときおり哀しくなる。
終わりの近づいた夏のかおりにてのひらを沈めて
裸足の少女は荒野を駆けていく。
一人きりで。
向日葵が揺れる。 揺れる。 揺れる。
(あなたはどこにいるの?)
戻る
編
削
Point
(3)