みかん/
竹節一二三
ひとりきりでいなくなろうと思った
特に悲しみなどないのに橋の上から
飛ぼうかと思っていた
わたしはみかんがだいすきだったので
最後に一つと思ってくちにふくんだけれど
あまりにおいしくなかったので
いなくなるのをやめた
もうすぐで冬になる
私の住む土地のみかんは
きっともっとおいしくなる
戻る
編
削
Point
(6)