オンザレール/末下りょう
強弱、点)の発明
ぼくは夢をみるぼくをみる
すると夢はぼくに気づき、ふり返る
ぶらさがる広告(私に支点を与えよ、そうすれば地球を持ち上げてみせよう)に眩暈を覚え、消化不良の卵やトースト、株価やラインの既読、心象の明滅、免疫、点滴がノドまでくる
無人駅(1000nayuta)で降りて駅員のいない改札を抜け、(実験中)のプレートのかけられたトイレに入ると、ぼくは便器から顔を出していた
この星は星がよくみえる星だ
星は、つぎを
期待しているのだろうか
砂の時計は
いまも
タイム タブレットを
落としている
位置を持ち、部分を持たない砂粒
一粒の中で
ぼくなら有限のネクタイを軽く緩めて近くの階段をなるべくゆっくりあがっていこうとおもう
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