海抜/
自転車に乗れない女の子
2000M下、仰け反った夜が
静かに揺れている
さみしい、と
囁きが零れそうな唇に蓋をして
彼女は窓ガラスを
吐息で曇らせた
優しくて、優しすぎて
だから地平線を境界線に
変えることにしたのです
言葉にならない
心の代わりに
さよなら、と
囁きが零れる前に指でなぞって
彼女は溢れた涙を
2000M上の波に同化させた
(大丈夫、
まだ酸素は要らない)
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