樹下にて/ヒヤシンス
 

 死を恐れる僕に価値は無い。
 抑えようとすればするほど溢れ出る。
 生への執着が僕を醜くする。
 抑えられない。
 人が持つそれぞれの感性が邪魔なのだ。
 落ちぶれた僕に手を差し伸べるのは誰か。
 悪の権化か醜い邪鬼か。
 僕は詩が恐ろしい。
 言葉が恐ろしい。
 抑えられない、抑えられない・・・。
 僕の神様、どうかこの弱い私をお笑い下さい。
 しかし私は待っています。
 いつまでもいつまでもきっと待っています。
 この冬枯れの樹の下で、真昼の幻想に飲み込まれそうになりながらも、
 あなたへの感謝と共にいつまでも待っています。
 心の春を待っています。

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