佳日行/
織部桐二郎
朝霧をわけてさまよふ黒き森
みれんの心花と咲きたり
都めぐる大路にあまた車なめて
君と見しかな百合の聖像
夕さればリラかをりたつ楽堂に
終はらざらましいにしへの曲
紅薔薇の苑生につどふ乙女子の
うたふ声音のいとも清らに
綺羅星に菩提樹かをる荘園を
君ともとほるひとときの夢
頌栄に虹の彩なす君が面
都をわたる川風のなか
戻る
編
削
Point
(1)