冬日獨奏/織部桐二郎
 
ゆくりなく提琴執りて
魂の限りに奏づ
美神よわれをめでよかし
雪にまじらふ古曲かな


老師たまひしみ教へに
わが心根のうち締まり
バッハ楽刻むひと頃
弓に描ける肖像画


雪七彩に舞ひをどり
わが提琴に和するなり
老師いづくにおはすらむ


雪はやみたり冬の陽の
白き地平に耀きて
バッハ楽和みわたれり
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