花言葉は知らない/もっぷ
 
花言葉は知らない
知らないで選びました
ほかには浮かばなかった
記憶のなかでそれは相応しく

焼べられて、もう
枯れることのない思い出となって
ひとり泣くだけの十二月に
その棘すらもいとおしく

甦るんです
ごめんなさいという
どうしても無駄と諦めきれない

伝えたい
謝罪とともに
本当はその瞬間、の直前に

ありがとうと
耳元でささやくことが
とても
肝心だったのだと

あとで知りました
後悔は増えてゆくばかり
まるで北国に
絶え間なく

絶え間なく降る
白雪のごとく
雪は積もるけれど

融けますね
春の訪れです
わたしは春に生
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