十一月のノートから1 (十首)/もっぷ
雨が降る外でじゃなくて部屋のなかそのなかに居るたぶん心に
灰色の脳細胞に時々はもう栄養をあげたくなくなる
お財布にいつもお札はないことに慣れてしまってそとは晩秋
この音もあの音も聞こえないはずの山奥に家買いたい夜あり
オークニー諸島で買ったセーターは日本の虫に好かれず十年
あとひと月経てばあなたの命日です友の国では雪の空です
ブルーでも東京のブルーその下にこのアドレスでわたし居るから
にびを知るにびしか知らない荒川に瑠璃色ガラス撒いてあげたい
徹夜して編集終えた詞花集に十一月の布団のぬくもり
銘銘の想いを思い過ごす夜孤独の消えてつくる詞花集
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