彼女たちの事情 〜愛しすぎる女たちのうたう詩〜/涙(ルイ)
 
出してしまった
     それで今日も 1万円も食糧を買い込んでしまった
     痩せなきゃ綺麗にならなきゃって思えば思うほど
     反比例するみたいに 食べることを抑えられなくなるの
     だってあたしには何もないんだもの
     くだらないつまらない人間でしかないんだもの
     食べてるときだけは安心できるの
     けど そのあとはいつも
     ものすごい罪悪感に苛まれるわ
     「お前はやっぱりダメだ」って両親のがっかりした声が聞こえてくるの
     吐くのはだから 自分への罰なのよ



     さっき彼から電話があったの
  
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