何もない日の朝/狸亭
 
んまのひらき(上半身のみ)と大根おろし
こんぶ(か)おから(ゆうべの残りがあったときだけ)の煮付け少々
長女があわただしくカウンターに並ぶ
夫はうまそうに食べている(ほんとうに朝飯が一番旨いのだと言っている)
06:50 長女が出て行く
新聞とコーヒー
と(そうそう)爪楊枝
07:00 の時報が鳴ると夫が出て行く
二階で二男坊の怪鳥のようなガラガラガアッという嗽の音
長男と末っ子の三男坊は(大型の)二段ベッドで寝ている
降りてきた高一の二男坊に言いつけて
あとの二人を起こさせないと
(大学二年生と中三はいつも呑気で二匹のヘビのように起きない)
一緒に御飯食べてよ
妻は母親になりますます忙しく
早く皆を追い出さないと
食事の後片付けや
掃除やら
大量の洗濯物と
何もない一日へと続く朝が終わらない。





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