七つの島/kawa
がるほど
わたしはわらった
最後のときに、言葉がどれほど意味を持つだろう
わたしはほんの塵芥だったが
生きていたのはほんとうだ
だれも知らなくとも
わたしはこのたくさんの星の下で
好きなものを思った
たいせつなわたしの塵芥のことを
三つの島のことを、わたしはけっして、語らない
それは誰しも、知っていることだからだ
四つの島で、わたしは愛された
斬新に汚れきった蟲と獣の剣を振り回し
紅い毒の霧を独り切りつけていたわたしを
むしくいのわたしを
陽だまりの枯葉のように
てんとう虫のように
犬の背中のように
愛するひとりに
わたしは愛されていた
五つの島と六つの島と、数千に及ぶその他の島々を
わたしはしらない
名前のない島を知らない
理解しない
認識しない
想像すらしない島々を知らない
わたしは海の果ての末端で口を開ける
永遠に落ち続ける滝壺のような
無罪な声帯で
七つめの島を呼んだ
言葉ではなかった
まるでけものだ
おんなじだ
なきながらなきながらさけんでいた
戻る 編 削 Point(3)