季節/梅昆布茶
 
過ぎ去ったものの影を追わないで

思い出の名前を口にしないで

あの日を小瓶に閉じ込めないで


銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの


手から手へと渡ってゆくものを忘れないで

ドアをあけて通り過ぎる風をさえぎらないで


そして遠ざかってゆくものたちと

残された時間を

地に生える草のように

しっかりとうけとめたいのです

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