ガラス売りのおんなたち/マーブル
鳥の意識のような
羽ばたき
ガラス売りのおんなたちは 産声をあげる
少しの花とかなしみを
バスケットに入れて
冬の星座に溶け落ちるように
街角を曲がったさきで
踊るんだ
誰にも気づかれないところで
夜は恋人
なにもおそれることもないし
なにもさみしがることもない
そう言い聞かせるように
ブーツの底を鳴らして歩いている
ガラス売りのおんなたち
果敢ない夢の続きを
その瞳のなかで燃やす
決して吹き消されぬよう
つよい大空を
そのやわらかな胸の中に
隠しているのだろう
あしたは雪が降るってね
美しい地面に
憧れて
はしゃぎ踊るよ
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