かなしめ十円/
 
う「べー」
 その度に世界が輝く、すごく刺さる光(嘘なのはもう知ってる)

 あなたは舌で転がしている
 十円玉で切断された舌そのものを
 飽きてしまえばそれを吐き出して次に移るし
 ぼくは五円玉に舌を挿し入れ始める

 球体の
 球体の
 球体は

 がらんどうの廃屋から聞こえるベッドの軋みだけが
 お前が死のうが
 人類が死のうが
 宇宙が死のうが続く営為だ

 けれどシーツに包まれたひとつひとつの眼は
 決して互いを見つめ合うことはない
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