探さない夜明け/かんな
 

足掻く
初めて乗れた
自転車
サドル
摩擦
回転していく車輪
ヘッセ
昔読んだ
名も
なもない物語
行こう
どこかへ
わたしときみという名のにんげん
ふたり
などと
区切れない
ひとは
他人は
こどく
抱え込む
手に入れたものを
後生大事に
無駄
抵抗
そして執着
どちらが大事
比較し
比較され
らしさ
などと呼ばれ
失う
個性
どこへ
行こう
わたしときみ

沈む夕日
理由
目的
居場所
すべて捨てて

だけの
ために
見えるものを
取っ払い
向かおう








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