伝えられない本当のこと /板谷みきょう
朝の忙しい時間に入る前に
外に沢山の雪が降り積もると
暗い時間から起きた妻が独り
除雪の作業をする
それは
ぎっくり腰以来
腰の具合が悪い
ボクの為なのかもしれないが
真意は解らない
聞いた事がないのは
臆病だから
理由にならないことぐらい
知っている
ボクが言いたいのは
そんな朝があろうとも
朝食と弁当を毎日
作ってくれていること
有り難いなぁ
そう思いながら
ありがとう
が言えない
遅く起きてきた寝ぼけ眼のボクを
非難することもなく
甲斐甲斐しく朝食の用意をし
暗い朝早くから
起き出して作ってくれたのだろう
朝
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