その夢は、本当/板谷みきょう
 

ピアノの背凭れ付きの椅子が
壊れてしまい困惑してると
太り気味の血色の良い兄が
突然現れてきた

妙な壊れ方をした椅子を見て
怒ってる風でもなく
マジマジと
椅子を見ている

兄の死角には
同じような椅子がある

ボクは
そのことを
知らせた方が良いのか
どうしたら良いのか
戸惑っている

そこで目が覚めた
死んでしまった兄の
夢だった
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