君は/もっぷ
 
君は、君の時間をくれる
午後九時半ごろ声届く
言葉をくれる
詩をくれる
せいいっぱいの誠実も

心を尽くして
毎日毎日
ひとりで淋しくしてないか
一人を涙してないか
せいいっぱいの優しさは
ケータイ越しに惜し気なく

君はわたしを友と呼ぶ
午後九時半ごろやあ、と言う
わたしはなあんだ君なのか
つまんないなと返してしまう

それでも君は見抜いてる
わたしの独りを知り過ぎて
わたしの在るさま考えて
考えてそして何もかも
わたしのことを赦してる
その時の顔みえてるよ

君は、君の時間をくれる
生きるなかでの有限を
生きてるなかで切り取って
せいいっぱいの誠実を
美しい翼持つ鳥の
ささやきのようにさり気なく


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