エンドクレジット/飯沼ふるい
死んだのはさて
1935年と、2013年との
どちらだろうか
死ぬための蛾、死のための蛾
問いは眠気の中に繰り返され
額の皺が増えていく
TSUTAYAへ映画を返しに行く道中
四辻の真ん中で立ち止まり
両手を掲げた
よぉ、太陽じゃないか
しかし空は僕を照らさない
鳩バスが無人の僕を跳ね上げる
ディスクの破片が散りばめられた
道路を踏みしめる人々に
8分と少し、遅れてくる兆し
その対価として捲られる暦
もうここにいないもの、
浄土、
そのような言葉が
地べたに映る
おわり。
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