なんてことない日々のおわりに/かんな
 


やわらかな水面を蹴って
そらへと羽ばたいていた
こころの一部が
いまだ純白であるならば
水蒸気になり雲になり
わたしを宙へと導いてくれるような
気がしたからだ


ジャスミン茶のほのかな匂い
こうばしい焼き菓子
あまさは女の子という生き物の
唯一無比な武器である
女体がまとった未熟さを取り払って
おとなの女になるというのは
瑞々しいひかり


晴れた日にそよ風に乗せた
ラヴレターが
雨の日に冷たく濡れ
ぐちゃぐちゃなおもいを
温風であたためて
受け取ってくれたこと
読み取れない文字列があいだと
気づいてくれたこと


ことばに出来ない
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