あの日覗き込んだ照準器の十字架Destiny/北街かな
ミユミコちゃんを再生したため彼女は二人になってしまったそうだ。現在は二人暮らしをしているという。だが顔も性格も違うらしいから僕は彼女を間違えることはないだろう。
マミユミコちゃんと僕はだれもがうらやむ運命的恋人関係となってほぼ毎日、待ち合わせをしていろんなところに出掛け続けた。ふたりでぎゅっと手をつなぎ太陽まで続く長い長い白い階段を途方もない時空のそよぎのなかで昇りつづけてみたり、百年後の未来に地上に墜落予定の彗星が生み出す予定の超巨大隕石孔の斜面を米袋で滑り降りてはしゃいでみたり、異星人向け恋愛周辺機器の一種である告白用巨大スピーカーの内部でサヨナラライブイベントを開催して十万人集めてみ
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