最終電車/チャオ
イタリアが襟の友人はいう。「日本人は愛してるといわない」と。
イタリアに行かない僕は言う「日本人が言わない愛を完璧な姿で表現したい」と
ステレオに流れる音楽が僕の耳に届く頃、今日は今日の姿を変える。
午前二時。ジャケットを脱がないで、ジャスミンティーを飲む。寒さには慣れっこだ。ただ、見えない明日が怖くて仕方がない。それでも、僕の上の蛍光灯のように、僕の二つの目は、目の前の出来事を照らしてくれる。
ささやかな幸せも、皮肉な不幸せも。
僕は一人じゃない。それがすべてだ。
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