山手通りを巡る夜/番田 
 

何でもかんでものようなどうでもいい機械とはご無沙汰だが


夜更けを甘い酒の中に閉じこめて
山手通りをタクシーも使わずに渋谷の方にむかって歩いていく
歩いていく 小さなバーで水をただ飲みしながら 誰もが
光る街の方へ向かっていく 知り合いは だけど
中身なんてよくわからないし ひとりもいなかった
いなかったから 生きてはいなくて 死んだ
必要性も感じない 若いときよりも年をとってしまったんだ
意地ばかり張ってはまだ がむしゃらだった頃の記憶だけ


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