「宇宙」ト呼ばれるものの真実はどこにも無いと思いたい/創輝
でも僕らは何も知らない
涙の意味を 知ることが無いのだから
少女が 「文字を書く」という呪縛から解き放たれたとき
彼女は 涙を拭いて顔を上げ
白磁の肌に朱を差し込むだろう 絵の具でもなく 偽りでもない
そしてシャンプーの薫りをたなびかせながら囁くだろう
「何も知らなかったなんて
私はずっと書き続けていたのに」
その言葉の真意は知る由もなし
いまだ 僕らは宇宙を解明できずに こうやって言葉を連ねているのだから
戻る 編 削 Point(1)