神無月の朝/月乃助
 



触れた指の あなたの温もりに
 忘れることなどできぬ 命のあたいをしる


「「 必ず 生きて帰ってきます
   いつか、いつの時か それまで
   待っていてくれますか、


あしざまに
 時代がおしつける 重たきものを
 忍ぶ朝 


言葉にならない おえつのよすが、


「「 はい、きっと (はい、きっと)(きっと、…・)
   どうか ご無事で いらっしゃってください


押しつぶす
 心のいたみに
 あやうい 命を請うほどのいつもの
 わらい顔 



      *




 「 あれは、一世一代 
   偽りの わたしの
   作りわらいでした








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