歓楽街の景色から/番田
感じているのは 悲しい予感
誰もいない 寂しい街角で
風が いつも吹いていた
僕はまだ たぶん生きていた
ものを口に入れながら
会話をするのはなぜ
どこに行くのか
人に 聞いても 返事はない
だけど何をするにしても
お金が 必要だ
寂しい 毎日
湿り気で部屋が閉ざされた
風のない秋の入り口で
テスト会場の机の上に
浪人生に残された 落書きを見た
*
モデルを やっているという
あの子も そんな風に 淘汰されていくのだろう
速いけれど
新しいパソコンは だけど
すこしばかりうるさすぎた
とても それは 致命的だ
下北沢の駅前でスニーカーを買う
どこにでも売っている
褪せたモデルを
面白いことは少ない
公園も あきらめられた廃墟のように 見えた
この街に 住む人は皆
死体のような 顔をしている
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