ぽ ん や り 。 /北街かな
ふたつに分かれて別々の言語が発達した。それだけならいいのだが、マンホールの穴と消火栓の穴と無意味な穴との間に不信感が募っていたことも災いした。理解できないことを責めてはいけないし、理解したとうなずくのも、正しいとは言えない。
そうとも限らない。
ぽんやりしているとはこういった事象の不連続連想と不定形夢想状態を戒めたり、解き放ったり、深く沈めたり、割って粉々にしたり、抱き枕にして寝たり、抱きしめて好きだと耳元でささやいたり、抱きしめた腕のなかの露出した心臓の清らかさに感傷の不在を嘆いたり、触れることかなわぬ心と心の可視光によるシンフォニーがハーモナイゼーションする場合における、協和、連帯、不
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