きのう/梅昆布茶
 

昨日のうえにことりと
今日が落ちてくる
その順番は変えられない

やっと捜し当てた今日は
つかのまのあいさつを済ますと
足早に去ってゆく

きのうの昨日のきのう

そこには取り残された気泡のような想いがあっても
それはどれも些細な思い過ごしのようなものでしかなく

明日の俺がそ知らぬ顔で屑かごへ丸めて捨てるのだろう

昨日のドアを閉めるとなぜだかちょっぴり胸が疼いた

今日のドアを開けると次のドアから小鬼がちょろりと舌を出した


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