男は 女は /ヨルノテガム
 

 ガサガサ転がって、そんなわけないわよって
 女に力一杯ひっぱたかれて、気を失い
 起きたら女は耳アカを吸ってくれていた
 街のネオンが一度切れて、2秒後についた日だ

 巨大なガーターベルトの黒いストッキング細足が
 8階建てのビルに座り足を組み、組み替える
 下から見上げてみても乳房辺りまでしか見えない
 女の鼻の穴を睨みつけても雲の中、目が合わない
 よじ登っていくが雪が降ってくる
 舌で雪を舐めて溶かすも

 街に雪が。
 全てを白く無垢にして
 女は女学生に
 女は子どものような澄んだ顔に
 幼く小さく閉じてゆく

 あれほど巨大な女が溶けるように縮んで
 足元の男と衝突事故を起こす
 
 男の首と肩をよく揉む日が続いている






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