雀になったおばあさん/もっぷ
陽当たりと静けさを求めてこの
大きくも小さくもない寂れた町に流れ着いたおばあさんがいました
南西角の四階に住んでいました
階段の最上階です
知り合ったのは近所のスーパーマーケット
あまりに荷物が重そうだったのでつい
お手伝いしましょうか
と
声をかけたのがはじまりでした
お歳はおいくつですか
と
たずねると決まって
十七歳
と
こたえるのです
おつきあいが深まるにつれて知ったことですが
そのおばあさんの愛してやまなかった猫は十七年を生きて終わりました
おばあさんはニンゲン時間でその猫よりも年上ですが
妹
と
愛してやまなかったその猫と自分とを混同
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