ナポレオンフィッシュと白い海/番田
孤独と語りあってきたその数を
忘れてしまった 僕は
僕の波の波紋が背びれのウロコで
たぶん交錯するのを感じた 今日も
そして 海の家の出口にいた 僕は
僕らの今日の帰り道を思いめぐらす きっと
なくした言葉の家族連れの僕は
僕の子供たちの孤独を引きつれて出る
海の中でもそんな気がして抱き合った
そして異論を声にすることができるのは僕だけだった
白い砂をまきあげながら 僕は
構成する夢へ向かい泳ぎ続けていたかった
君をなくした 海の中
交錯する思い出が いくつも 光る
海の中をもがいては進んでいく そんなような
そんな魚たちが死んでいた
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