懺悔の相手もみつからず/梅昆布茶
 
かつて誰のために祈れただろうか

飾りのついた服を着て 街を歩いていなかったか

自らさいなむひとを見捨てなかったか

酒におぼれて遠ざけたものの数々

いまどこを旅しているのか

額の傷は消えやしないんだ

よりよく生きようと欲していたか 

無駄に小銭をかぞえて 老欲をさらす

見識もなく 星もみえない暗夜のように凍えていればいいさ

いまふたたび 誰かのために祈ろうと 汚れた手を洗おうと

あたりを見渡しても 懺悔の相手さえ見つからず

懺悔のことばさえも見つからず





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