would walk/Neutral
前に進めば
景色は後ろに流れていくように見える
だがそんなある日僕は
動いているのは景色の方だと閃いた
まさしく 世界の景色は
僕の足元のキャタピラで動いていた
僕はどこまでも歩いて行けた
街並みも公園も海も
僕だけがここに居て世界は僕に近寄ってきてくれた
しかし立ち止まってしまえば
景色を動かすのをやめているのと同じだから
いつか追いついてくる季節に轢かれてしまうだろう
人生という道路の上で
そう 季節
夏も秋も冬も
すべてはそれらが蓄える春の為にある
だからどこかの誰かは
時間は自分で進めていくものだと言った
それができなければ 季節が何周しようが
夏は夏のまま、冬は冬のまま
心は固められてしまう
春だけが 自らたぐり寄せる事でやってくる
景色を送ろうと歩く足は
キャタピラではなくカレンダーをめくり続けるのさ
世界は景色の方が動いているのだから
取り残されないように 僕達は自分の季節を追っていくしかない
その中に 早送りし続ける日々の風景を繋ぎとめるように
一瞬の春が散らばっている
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