もし僕が先に消えたなら。/ヒヤシンス
君が悲しみに暮れる夜。
見えない僕は君の傍らに腰掛けただ微笑んでいるよ。
言葉なんかいらないと思うけれど、
もし必要なら夜が明けるまで話をしよう。
君が記憶の扉の中、淋しさを感じる夜。
見えない僕は何をしたらいい?
消えてほしいのなら僕は消えよう。
ただ君の記憶の扉の鍵はここに置いてゆくよ。
君の切なさを半分僕に分けてくれたなら。
君の苦しさを半分僕に背負わせてくれたなら。
君の優しさに僕の優しさの全てを捧げよう。
君が僕に注いでくれた愛情以上に僕は僕の愛情を君に注ぐよ。
僕はいつだって君の笑顔を見たいんだ。僕は君も知っての通りの自分勝手な男。
でも約束しよう。君の悲しさも淋しさもぜんぶ僕が包み込んであげる。
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