フクロウと呼ばれた少年/イナエ
「男女七歳にして 席 同じゅうすべからず」この精神に則って 国民学校と呼ばれていた現小学校の三年生からは男女別学になった。担任も女先生から 自らを在郷軍人と名乗って憚らなかい男先生になった。新学期になって数日したある日 担任は 大柄な児童を前に呼び出すといきなり投げ飛ばした。あっけにとられているぼくらに聞かせるためか
「お前万引きやっただろう」と一言いって 立ち上がった児童をもう一度つり上げ 壁に投げつけた 彼は泣きわめくことさえも無くただ投げられていた それはぼくらへの見せしめだったかもしれない あるいは 児童に自分の恐ろしさ 強さを印象づける行為でもあったか。
この児童がフクロウである
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)