蛇口/時子
 
ご近所中に電話を掛けて白い犬を飼っていたおじいさんを探した。僕はというと、大好きなハンバーグも食べず一晩中泣き続け、いつの間にか眠っていた。 
自分のしてしまった事に押しつぶされてしまいそうだった。 
しかし、おじいさんは消えていなかったし、ましてや死んでもいなかった。 
次の日、僕は父に連れられてその公園に向かった。現場検証みたいなものだ。 
すると、昨日消えたはずのおじいさんが、公園の入り口からひょっこり顔を出した。 
僕は2度目のパニックに陥った。 
おじいさんは、蛇口の水が言った通り、おばあさんとゴンと一緒に仲良く暮らしていた。しかし、病気でおばあさんを亡くし、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)