林檎の香りにブラックアウト/ビスケットは品切れ/智鶴
さぁ鮮やかに
暗転、ブラックアウト
分かち合う僕達の世界、夜
畏れているのはあまりにも酷い結末
狭いグラスには溢れかえる朝
僕と君の時間が止まったみたいに
忙しなく充電を始める、「世界」
自ら示したルールに喘ぐ
見慣れた矛盾が空を舐める
遥か昔、
存在し得なかった知識を貪った日から
神は間違い始めたのか
罪と知って
それは
それほどに価値のある意識なのか
知恵、とは
千切って捨てた屑かごに
また新しく無知の罪が生まれる
鮮やかな世界も霞み始めたのは
「全部お前たちのせいだ」
誰が言った?
誰が始めた?
この夜を壊したのは
お前だ
誰も知らない夜に慟哭
見開かれたその眼に
失望
次の瞬間
世界は既にブラックアウト
暖かな無知と引き換えに
授かったのは最悪の罪
鮮やかだろう、眩しいくらいさ
蹂躙された世界はお前たちに
どれだけ眩しく見えるのか
教えてくれないか
この朝は真っ暗だ
アイスクリームでも食ってろ
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