一服まで/ヒヤシンス
澱んだ川面に石を投げる。
幾度も、幾度も。
投げられた石は水を跳ね返す事も無く、
澱んだ川面にねっとりと吸い込まれてゆく。
石は私自身の言葉であるかのように音も立てず沈んでゆく。
一体いくつもの言葉が飲み込まれていっただろう。
私はただぼんやりと石を投げ続けている。
いつしか蛙の鳴き声が辺り一面を覆い尽くしていた。
私はただ沈んでゆくだけの情景に嫌気がさして、
腹立ちまぎれに一つ大きめの石を川面に思い切り投げつけた。
びちゃっという音と共に重たく汚い水が私の服を通り越して私の心に跳ね返ってきた。
それは侮辱であり、差別であり、無慈悲であり、孤独だった。
私
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