僕は唄を歌ってた。愛する人は 時々怒るけど。/創輝
 
いつからかな
僕が見つめたものが 遠く、とてもとても遠くになって
目の前にいたはずのものが
僕の視界から消えていたのは。

僕の立っている地に、一体どれだけの人が生きていたんですか?

僕の生きているこの地で、一体どれだけの人間が殺されたんですか?

どれだけ優秀だともてはやされている人に聞いても
多分、正確な数字を出してくれる人はどこにもいない

僕も、何百と言う月日を重ねれば 生きていたという真実さえも蓋をされる

だから僕は消えないように唄を歌った
誰かの光に当たって、影になってしまわないように
僕の光が、誰かを陰にしてることにも気づけないまま

遠く

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