そこで風に撫でられた/ドクダミ五十号
 
天気は下り坂なんだな教えてくれてありがとよ

雷雲が発生しそうな雷平

文明から遠く離れたそこで俺は風に撫でらている

踵を返すに惜しい気がしたがあまりに世間と隔絶された俺が怖くもなっていた

幸いにもこの獲物が大好きと言う娘が待っている

俺の血を受け継いだ可愛い娘だ

強めに塩をして上手に焼いて食わせよう

登るより下るのは難しい

俺は文明に向けて慎重に下って行った一里一匹と形容される真夏の渓を

風に撫でられながら
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