夢中になったのは三十分、(それが何日何十日何ヶ月何年何十年も)/ヨルノテガム
 





 例えば 一本の線があったとして
 横なのか 縦なのか 斜めなのか 影があるのか
 その一本の線はなだらかな波打つ曲線に
 恋しているのか そうなりたいのか 空腹なのか

 ふわり、薄青い空に浮かぶ雲から
 一直線の線が降りて
 木々の枝葉に積もる強固な綿雪へと
 手をつなぐように肩を組み


 *


 例えば 一本以上の直線があったとして
 二本なのか 三本なのか 四本なのか
 それが縦なのか 横なのか 平行なのか
 多角形の迷路の、或る方向性を単に示すだけの
 存在なのか、いや
 眩しい太陽光の分身なのか―――夢か または
 夢の使
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