夏休み/nonya
 

切れ切れのあらすじ
離れ離れのせりふ
緑と青と白とその隙間にある
無数の明るい色と寒い色

大脳皮質の砂浜で拾い集めたら
海馬のカレイドスコープに仕込んで
いとおしむように回す

見えてくるのは遠い夏休み
今にも壊れそうで綺麗だけれど
それが夢だったのか現だったのか
もう分からない





遥かな山の辺まで続く
大きな長方形の連なりの中で
フェーンの熱風に弄ばれていた稲穂

うねる緑


パンクした自転車を放り出して
土手に寝転んで向き合った空

悔しい青


追いかけっこに夢中で
近づくバイクに気づかなかった
アイツの頭に
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