にじりよる/
かの
にじりよる夜
酔っ払いが揺れる
優先席だけぽっかり空いた
日本人の優しさがあって
にじりよる夜
わたしの寂しさにつけこんで
漬け込んで臭いものには蓋をしよう
広がりそうな虚しさは睡眠で対処
にじりよる夜
すべての憂鬱が流れ込むくすんだ空
都会の電気が雲を照らしてぼんやりと
ぼんやりとわたしは考える
にじりよる
今日がやってくる
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