劣等感のミント感/Neutral
抱えながら
犬の小便のように道端に煙草の匂いを染みつかせ
世界中を練り歩く大人の事だ
大人を馬鹿にして
大人にもなれない僕は開き直る
どろどろの成功をみじめにもがきながら鷲掴みするより
盛大に失敗し恥を晒す為の努力の方が気分が良いと
世界中に聞こえる声で演説したい
僕の夢は ミントガムの甘い匂いを世界中の風に乗せて
大人の心からタバコの味を忘れさせる事なんだ
それを叶える力は才能じゃない
この日差しの中
彼は日陰にも入らないで一体何を見ているのだろう
自販機の足元に打ち捨てられた
煙草の灰が詰め込まれた空き缶の匂いが
風に乗って日の沈む方向へ駆けてゆく
タバコの匂いは世界中の汚れを増幅させる
人の悪意の産物なんだよ
僕は また朝が来て
あの風が一周してここに帰って来た時の事を想像した
それは劣等感のブレーンストーミング
だからあの時
どうせ大人の灰皿にされる運命だと悟り
空っぽになったジョージアを握りつぶしたのさ その拳を掲げて
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