夜/しゅう
+イントロ
結露した窓にイルミネーションがくもっている
さびしい道を車が通るたびに
天井をヘッドライトが照らしては消えていく
2004-5
新しい年に関わりなく闇は塗りつぶされていく
+小さな頃
カーテンの隙間から夜を覗き込むと
夜も私を覗いていて
星も月も死んだ世界ではふたりぼっちなのだと思っていた
メールセンターがパンクしているらしい
繋がりが途絶えるといらいらするのは病気だ
窓を破って伝書鳩でも飛ばそうかと妄想する
と、覗き込んだ妄想の窓に
夜が震えていた
もう何処も不夜城で、と言い訳しながら
彼は唐突に部屋に入る
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