昭和ロボット伝/梅昆布茶
僕はロボット 1953年生まれだ ガラクタを適当につなぎ合わせてできている
だが僕の父は天才科学者ではなかったので かなり杜撰な構造だがなんとか生きているさ
僕が生まれたのは三丁目の夕日のあの時代だ まだ路面電車が走り車も少なかった
中世の暗黒時代に魔術師達が創造しようとした人造生命のホムンクルスなんかとはちょっと違うんだな
ロボットには心がないと言われる とても心外だ ロボットだって老朽化して節々は油ぎれして痛いし 人生の悲哀だってそれなりに知っているつもりなんだ
ワンピースやドラゴンボールのような疾風怒濤の冒険はまったくない でもそれが幸せだと思っているんだ それ
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